“POTEKA”
開発エピソード

地域の気象防災を変える。
誇りをかけて開発した
画期的な観測機器。

突然のゲリラ豪雨や竜巻によって甚大な被害をこうむった事例は多い。そんなとき、地域の気象を「ピンポイント」で「リアルタイム」に捉えることができれば、事前避難などの対策が可能だ。この課題を解決するため、昭和13年の創業以来、一貫して日本の気象防災を支えてきた明星電気が立ち上がった。製品名は「POTEKA」。これは、開発過程で何度となく立ちはだかった困難に屈することなく、挑み続けた社員の物語である。

PROJECT
MEMBER

  1. 2012年新卒入社 T.T

    気象防災事業部 技術部
    情報学部卒

    システム設計やプログラミングが大好きで、一貫してソフトウェア開発に携わる。その経験が評価され、POTEKAプロジェクトに参画。会社として初の取り組みである「クラウド方式」でのシステム構築に挑んだ。

  2. 2005年新卒入社 S.K

    気象防災事業部 技術部
    理学部 地球科学科卒

    気象観測システムの設計やプロジェクトマネジメントを担当。もともと空や雲を見ることが好きで、就活時に「気象」と入力してヒットしたのが明星電気だった。お客様ごとに異なる仕様をどうすれば実現できるか考えることに面白みを感じる。

  3. 2014年新卒入社 T.Y

    気象防災事業部 技術部
    工学部 機械システム工学科卒

    ベンチャー企業での実績をかわれて明星電気に入社。飛び抜けた発想力を駆使し、POTEKAの価値を創り出し、その価値を世の中に発信することに貢献。今後もPOTEKAの価値をさらに高めるためのアイデアを日々蓄積している。

“POTEKA”とは

毎日の暮らしの安全と快適、
そしてビジネスチャンスを支えます。

  1. 01活用例

    安心・安全を支える

    急激な気象変化が引き起こす、さまざまな災害から私たちの暮らしを守るには、小型気小計を利用したピンポイントの気象情報を提供する「POTEKA」が大きく役立ちます。

  2. 02活用例

    快適生活を支える

    急な雨やお天気の変化に振り回されず、快適な毎日を過ごすには「POTEKA」はとても便利なツール。毎日の生活に上手に取り入れて、ストレスフリーな毎日を。

  3. 03活用例

    ビジネスを支える

    ピンポイントで正確な気象情報を把握することで、多彩なビジネスチャンスが生まれます。ここでは「POTEKA」を活用したビジネスソリューションを紹介します。

TALK SESSION01

〔 開発のきっかけ 〕

自社オリジナル製品で、
地域の役に立つ
情報を提供したい。

突発的かつ局所的に発生するゲリラ豪雨や竜巻。しかし、多くの人が知っている「アメダス(※)」は約20km間隔で設置されているため、きめ細やかな予測は難しい。くわえて、気象測器は非常に高額な製品であり、気軽に導入することはできない。そこで明星電気は考えた。もっと安価に、もっと気軽に、もっと多くの場所へ気象観測を設置し、ピンポイントでリアルタイムな情報を提供できないだろうかと。そうすれば、防げる被害も救える命もあるはずだ。そして、気象データを高度利用することで人々の働き方さえ変えられるかもしれない。そんな思いから明星電気初の挑戦は始まった。

  • ※アメダス:気象庁が日本国内約1,300箇所に設置する「自動気象データ収集システム」。
S.K

当社の仕事は、基本的にお客様の仕様に基づき、フルオーダーで観測機器を設計・製造することがほとんどです。裏を返せば、POTEKAは、自分たちで仕様から考えねばならない「ゼロから」の出発でした。プロジェクトに選抜されたときは、とてもワクワクしましたね。

T.Y

観測機器は、設置箇所が多いほどデータ精度が向上します。また、観測機器は「売切り」が多く、老朽化による利用停止というケースも数多くありました。より多くの場所に設置し、永続的に使ってもらいたい、そんな思いからPOTEKAでは「導入・保守コストをゼロ。データ提供料のみ」という料金体系にしました。これは大きな挑戦でした。

TALK SESSION02

〔 開発へ、立ちはだかる壁 〕

突破せよ。
はじめての試みに
立ち向かう試行錯誤の日々。

開発は始まった。「設置のしやすさ」というコンセプトを実現するためには、小型化が絶対条件である。しかし、その小型化された筐体に「7つの気象センサー」「通信機能」を搭載しなければならない。加えて、気象庁検定をクリアするためには、極めて高い精度が求められる。クラウド方式でのシステム提供も初めての試みだ。開発の長期化が想定されたが、すでに決定されたリリース時期を遅らせることはできない。各分野のスペシャリストであるプロジェクトメンバーは、日々、熱い議論を重ね、試行錯誤を繰り返した。その作業は、ときに深夜に及ぶこともあったという。

T.T

当社が提供する製品は、通常、お客様(社内)の「閉じられたネットワーク」で利用するものでした。しかし、今回は住民を含む広範囲にデータを公開することになります。その場合のセキュリティ対策はどうすればいいのかなど、考えることは山積みでした。

S.K

気象庁検定をクリアするため、データ計測は非常に高い精度を求められました。自社でテストできないものは外部検査機関に持ち込んでテストをし、社内に持ち帰って再調整して…そんなことを何度となく繰り返しました。

TALK SESSION03

〔 苦労した点、やりがいなど 〕

完成直前まで、
ねばり強く繰り返された
ブラッシュアップ。

各メンバーの奮闘により、わずか1m四方というスペースで駆動する画期的な小型気象計「POTEKA」は完成しつつあった。しかし、より品質を高めるため、リリースぎりぎりまで製品のブラッシュアップは繰り返された。また、製品の完成だけではなく、どのように世に広めていくかのプロモーション計画も立てる必要がある。Yを中心に、POTEKAの理念である「地域への貢献」をキーワードにし、自治体や企業を巻き込んだ「協働」が展開された。そして、POTEKAの価値をさらに高めるため、大学との共同研究も開始されたのであった。

T.Y

製品は、使ってもらえなければ意味がありません。どうすれば「POTEKAのファン」を増やせるだろうか。いろいろ考えましたが、やはり答えは「地域への貢献」という原点回帰でした。その思いを胸に、様々な機関へと提案を重ねました。

T.T

開発~改修の繰り返しでした。全社を挙げてのプロジェクトですから、それぞれが強い思いをもっています。プロトタイプをレビューすると、こうしたらどうかと意見が出る。それを改修するとまた別の意見が出る。明星ブランドに妥協はない、そんな熱を感じました。

TALK SESSION04

〔 完成して、今後の展開〕

さらなる高度活用へ。
POTEKAはこれからも
進化し続ける。

2015年に群馬県伊勢崎市で発生したダウンバーストでは、発生前に起こる気温の急降下をPOTEKAがはっきりと捉えていた。また、アメダスが設置されていない茨城県守谷市では、POTEKAから取得したデータのおかげで、気象庁の警戒情報が出る「9時間も前」に独自の判断で警戒を呼びかけた。加えて、早期に避難所も開設することができ、被害の極小化につながった。こうしてPOTEKAは、着実にその有用性を世の中に広めている。しかし、明星電気の挑戦は終わらない。気象情報をさらに高度活用する計画も着々と進行中だ。

S.K

現在、自然災害の発生時には、自らの判断で自身の安全を確保する「自助」が主流になっています。POTEKAは、その自助のための大きな助けになると確信しています。さらに価値を高めるため、引き続きPOTEKAのブラッシュアップは続いています。

T.Y

防災という観点での利用はもちろんですが、POTEKAのデータを活用して、人々の働き方さえ変えていきたい、そんな壮大な思いを持っています。詳しくはお話しできませんが(笑)、たくさんのアイデアが頭の中にストックされています。

皆さまからのご応募をお待ちしております。

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